看護師の年収:病院・クリニック・訪問看護を比較

看護師の年収は働く場所でどう違う?病院・クリニック・訪問看護の比較と読み方

夜勤を減らしたい。でも、今の生活を維持できるだろうか。クリニックや訪問看護が気になっても、年収の見通しが立たず、動き出せないことがあるかもしれません。

この記事では、働く場所別の年収データと、転職前に確かめたい給与条件を整理します。高い順に職場を選ぶためではなく、収入と続けやすさを一緒に考えるための比較です。病院・クリニック・在宅は厳密には「職種」ではなく、勤務先・働く領域の違いとして扱います。

病院・クリニック・訪問看護の年収データ

以下は日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表201の数値です。対象は正規雇用・フルタイム勤務の回答者で、2024年1〜12月の源泉徴収票の支払金額に基づきます。看護師だけでなく保健師・助産師・准看護師を含む看護職員の調査で、手取り額ではありません。

勤務先平均年収・約万円集計対象人数※
病院576.23,321人
診療所(クリニック)535.790人
訪問看護ステーション549.9787人
介護系サービス513.1170人
官公庁621.982人
看護系教育研究機関654.4155人

※人数は年収の無回答・不明を含む表の合計で、平均算出の有効回答数ではありません。原表の円単位を万円へ換算し、小数第1位に丸めています。官公庁・教育研究機関は職種構成が異なるため参考掲載です。管理職も含まれ、年齢・地域・役職・夜勤条件をそろえた比較ではありません。日本看護協会会員を対象とする回答者の平均であり、全国の看護師全員の平均や、転職時の提示年収を示すものではありません。[1]

平均より低くても、すぐに「損な職場」とは決めない

この表を見て、自分の給与が低すぎるのではと心配になるかもしれません。ただ、役職者を含む平均と、非管理職の給与をそのまま比べると判断がずれます。年代別年収を掲載した最初のNISA記事とは調査も対象も異なるため、数値を直接つないで昇給予測をすることもできません。

求人の月給が魅力的でも、固定残業代や変動する手当を含んでいないか確認しましょう。反対に、月給が少し低くても賞与や住宅支援がある場合は、年間の受取額や支出まで見ないと比較できません。

働く場所ごとに、給与と一緒に確かめたいこと

病院:病棟と外来を同じ条件で考えない

病院という名前が同じでも、配属先や夜勤の有無によって条件は変わります。基本給、夜勤手当、時間外手当を分け、「今の夜勤回数を続けた場合」と「減らした場合」の両方を確認してください。入職直後に夜勤へ入らない期間の給与も、採用担当者に聞いておくと生活を組み立てやすくなります。

クリニック:日勤の安心感と、一日の拘束時間

診療所の平均は、美容・透析・一般外来などを個別に比較できる数字ではありません。美容なら高年収、一般外来なら低年収と、この表だけで決めることはできません。

面接では、診療終了後の片付けや記録、昼休み中の外出可否、土曜日の勤務、賞与の算定方法を確認しましょう。日勤という言葉だけで、自分の帰宅時刻や家事・育児との両立を判断しないことが大切です。

訪問看護:日中の訪問とオンコールを分ける

訪問看護ステーションと、医師の訪問診療に同行するクリニック勤務は別の区分です。「在宅専門」という一つの平均にまとめないようにしましょう。

オンコールの担当回数、待機と出動それぞれの手当、翌日の勤務、困ったときの相談先まで聞いてください。ソフィアメディの職員インタビューでは、主担当・副担当の体制や情報共有が紹介されています。ただし採用サイトに掲載された一事業者・一職員の事例で、すべての訪問看護に共通する条件ではありません。[2]

介護施設・デイサービス:施設名だけで業務を想像しない

介護系サービスの集計から、特養、老健、有料老人ホーム、デイサービス別の年収は分かりません。看護職の配置、夜間対応、医師への連絡体制、介護職との役割分担、送迎業務の有無などを、応募先ごとに確認する必要があります。

企業・健診・保育園・学校など:数字がない区分は分けて調べる

これらも働く場所の候補ですが、今回の比較表から独立した年収は示せません。官公庁の平均を企業看護師の給与に置き換えたり、教育研究機関の平均をすべての学校勤務へ当てはめたりはしません。雇用形態や募集職種をそろえた求人票で比較しましょう。

求人票を見比べるためのメモ

  • 基本給:毎月固定で支払われる部分はいくらか
  • 手当:夜勤・オンコール・残業など、条件で変わる部分はいくらか
  • 賞与:何を基礎に計算し、初年度はどう扱われるか
  • 時間:実際の退勤時刻、休日、移動・待機の条件はどうか
  • 支出:通勤、駐車場、保育、転居に必要なお金は増減するか

比較の際は、まず「基本給×12+固定手当×12+確認できた賞与」を書き、その横に夜勤などの変動分を分けて記載します。これは条件整理の式で、将来の給与を保証する計算ではありません。賞与が不明なときは、期待額を確定収入として扱わないようにします。

収入と、続けられる働き方を両方大切にする

年収は大切です。同時に、帰宅後に休めること、家族との予定を立てられること、学びたい看護を続けられることも、自分にとっての条件です。

「どこが一番高いか」から「自分が無理なく働ける条件で、どれだけ生活費をまかなえるか」へ。 まずは今の給与明細を一枚用意し、固定部分と変動部分を分けるところから始めてみてください。働き方を変える前のお金の備えは、続く資産形成の記事で整理します。

出典

この記事は私が書いたよ!

たっち | 医療者・会社員

たっち | 医療者・会社員

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