仕事がつらい看護師さんへ。休息・相談・働き方を考える。

看護師の仕事がつらいときに|自分を責めすぎず、休息・相談・働き方を考える

次の勤務を考えると気が重い。帰宅しても、申し送りで言われた一言が頭から離れない。患者さんには「無理しないでください」と伝えているのに、自分が休むことには罪悪感がある。そんな日もあるかもしれません。

仕事がつらいと感じる時は、まず自分の状態を確かめ、休息や助けを受けることを優先してかまいません。 今の病棟がつらいことだけで、看護師としての自分の価値を決めなくてよいのです。

ここでは、今日の負担を少し整理する方法と、相談・勤務調整につながる選択肢を紹介します。病気の診断をする記事ではありません。すでに生活や勤務に支障が出ている場合は、読み進めるより先に、医療機関や産業保健スタッフへの相談を考えてください。

「頑張れるか」より、眠れているか・食べられているか

休みの日も眠れない、食欲が落ちている、いつもならできる家事が難しい。つらさを測る時は、気合いの強さより、普段の自分からの変化を手がかりにします。

厚生労働省の「こころの耳」でも、睡眠・食欲の変化、疲労、意欲低下などを、いつもと違う状態に気づくポイントとして挙げています。[1] 一つ当てはまれば病気と決まるわけではありませんが、続いている時や強い時は相談する理由になります。

「もう少し悪くなったら相談しよう」と待つ必要はありません。注意力の低下などで安全に勤務することが難しいと感じる場合は、その勤務の責任者に状態を伝え、一人で業務を抱えないようにしましょう。

つらさを、具体的な場面に分けてみる

「全部つらい」と感じる時、無理に原因を一つに決める必要はありません。余力があれば、次のように書き分けると、何を変えたいかを相談しやすくなります。

つらさが出る場面自分に確かめること相談で伝える例
夜勤や連勤の後休息で回復できているか夜勤後も眠れず、次の勤務まで疲労が残る
特定の人と働く時どんな言動や場面が負担か質問すると強い言葉で返され、確認しづらい
未経験の処置・急変対応知識と支援体制のどちらが不足しているか一人で判断する場面が不安なので支援を決めたい
記録や委員会が重なる時業務量と時間が合っているか記録と係の仕事が重なり、休憩が取れない
育児・介護と勤務が重なる時どの時間帯に調整が必要かこの曜日の勤務を調整できるか相談したい

この表は診断の分類ではなく、相談を整理するための例です。夜勤の負担や人員配置の問題を、個人の勉強不足だけで解決しようとしなくてよいと思います。

日本看護協会も、夜勤・交代制勤務による健康・安全・生活への影響を考え、勤務間隔や休息などの改善を提案しています。[2] 疲れが抜けない時には、自分の生活習慣と勤務の組み方の両方を見直す視点があります。

振り返りは、人格への評価と分ける

ミスや指摘を受けた後、「私は向いていない」と何度も考えてしまうことがあるかもしれません。振り返る余力があれば、起きた事実、次に確認すること、必要な支援の三つに分けてみます。

例えば、説明用の架空の場面として「初めての処置で準備に時間がかかった」なら、「自分は何もできない」ではなく、「次回は準備物を先輩と確認する」「経験するまで一緒に入ってもらえるか相談する」と、次の行動へ小さく分けます。

実際の事故やインシデントでは、患者さんへの対応と勤務先の報告・相談手順を優先します。そのうえで、個人の注意だけでなく、手順、業務量、情報共有に改善点がなかったかをチームで検討してもらいましょう。

学び直す必要があることと、傷つく言葉を我慢しなければならないことは別です。 指導という名前でも、苦痛を感じる言動は相談してかまいません。

相談は、話せる相手から始める

相談先話せること・頼めることの例
信頼できる先輩・同僚困っている場面の整理、相談先への付き添い
師長・看護部・人事業務分担、夜勤、配置、休暇・休職制度
産業医・産業保健スタッフ健康状態と就業上の配慮についての相談
医療機関不眠や気分の落ち込みなどの評価・治療の相談
職場外の相談窓口職場では話しづらい悩み、労働条件、ハラスメント

話し出し方は、例えば「最近、出勤前に体調が悪くなり、休みの日も眠れません。夜勤回数と受診について相談したいです」で十分です。上手に説明することを、相談の条件にしなくて大丈夫です。

相談相手がつらさの原因である場合は、別の管理者、人事、外部窓口へ進めます。どこまで記録し、誰と共有するのか、不安なら最初に聞いてください。

「こころの耳」では電話・SNS・メールの相談や、医療機関を探すための案内があります。労働時間などの相談には、日本看護協会の「ナースのはたらく時間・相談窓口」もあります。[3][4] 利用方法・対象・受付時間は各ページで確かめられます。

ハラスメントが気になる時は、事実を記録する

いつ、どこで、誰から、どのような言動があったか、その後の業務や体調への影響を記録しておくと相談に役立ちます。厚生労働省の「あかるい職場応援団」も、事実を記録し、相談する方法を案内しています。[5]

記録は自分のためのメモにとどめ、患者さんの個人情報や診療記録を持ち出さないようにします。ハラスメントに当たるか自分で結論を出せなくても、困っている事実を相談できます。

続け方を変える選択肢を、一つずつ確認する

休暇を取る、夜勤回数を相談する、業務を調整する、配置転換を相談する、休職制度を確かめる、別の職場を調べる。いくつかの方法を組み合わせることもできます。実際に利用できる制度や条件は勤務先によって異なります。

ナースプラスの訪問看護師へのインタビューでは、病棟から職場を変えた後の生活リズムや人間関係、お金の使い方の変化が語られています。[6] あくまで個人の体験で、訪問看護なら必ず負担が軽くなるという意味ではありません。訪問先での判断、移動、オンコールなど、その職場の負担も確認する必要があります。

「今の部署で働き続けること」と「看護の仕事を続けること」を少し分けて考えると、検討できる選択肢が見えてくる場合があります。大きな決断は、可能なら休息と相談の支えを得ながら進めましょう。

休む時のお金が心配なら、制度の窓口につなぐ

病気やけがで働けず給与が十分に出ない場合、加入している健康保険の傷病手当金を利用できることがあります。協会けんぽでは、業務外の病気・けがによる療養、労務不能、連続3日間の待期を含む休業、給与の支払状況などの要件を案内しています。[7]

休めば必ず受給できる制度ではありません。加入先、医師、人事担当へ、対象となるか、申請書、入金までの見込みを確認します。仕事が原因と考えられる不調の場合は、労災の相談先も確認してください。[7]

家賃などの固定費、手元資金、休職中の給与・社会保険料を一緒に整理できる人がいると安心です。お金の確認に力を使えないほどつらい時は、家族や相談員などに手伝ってもらってもよいのです。

今日できることは、一つでも十分

  • 今の睡眠、食事、疲労の様子を一行だけメモする
  • 話せる人へ「少し相談したい」と連絡する
  • 勤務調整や受診の相談先を一つ決める
  • 休みの日に予定を足さず、回復の時間を確保する

患者さんを支える仕事をしているあなたも、支えを受けてよい一人です。今日は結論を出せなくてもかまいません。自分の状態を誰かに伝えることから始めてみてください。

出典

この記事は私が書いたよ!

たっち | 医療者・会社員

たっち | 医療者・会社員

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